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2010年9月17日金曜日

新入社員はパソコンでプログラム作りを3ヶ月体験してから配属

私がトヨタの本社工場の事務課長だったとき、工場へ配属された管理部門の新入社員を3ヶ月間、職場配属をせずに、テーマを決めてBASICによるパソコンプログラムを作らせました。
これからの事務員・技術員はパソコンが使いこなせるこが必須能力と考えたからです。
仕事そのものを習得する段階から、パソコンが操れる能力をもっていれば、若い力が仕事自体を革新して行ってくれることを期待して。
この新入社員たちが配属後、期待にこたえて、それぞれの職場で多くの仕事を改善して行ってくれた。
ある運動部推薦で入社してきた新入社員は、一覧たな卸し票というたな卸しシステムを構築してくれました。
従来は1品1葉のたな卸し現品票で行っていたものを、ラインサイドの置き場の棚の順に印刷された一覧表でたな卸しをしようというものです。
トヨタのラインサイドの置き場はいつでも移動できるように滑車が付いていて、生産量が変化すると作業組み合わせがすぐ変えられ、それにともない置き場も移動される。
従来のコンピューターシステムでは、その変化に、追随してマスターをメンテナンスしていくことは困難でした。
これを職場のパソコンで、担当自身が維持していくようにしてくれ、あわせて棚番表示板もこのパソコンで作るようにして、メンテナンス漏れがなくなりました。
たな卸し時間が大幅に軽減できたのはもちろん、たな卸しもれ、回収漏れも防げました。
それから数十年後私は定年退職し、トヨタのOBが一堂に会する社友会に参加したとき、その彼がトヨタの車通信システム[GAZ0」の開発に携わり、その紹介にきていた。
新入社員をパソコンで遊ばせていると揶揄されたこともったが、あの3ヶ月が役に立っていたのだと自己満足をしたしだいです。

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