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2008年1月30日水曜日

社長の手土産

20代前半は、総務部庶務課庶務係ですごした。聞こえはいいが、専門部署がない仕事は、庶務係りの担当である。事務所の掃除を担当する美装班、自家用車を運転する車庫班、来客にお茶の接待をするお茶室、役員室の食事の給仕をする配膳室、われわれ事務員は総会屋ややくざの対応、宴席の手配から交際費の処理、贈答品や記念品の手配、記念行事や神事の催行などを数人で担当した。、もちろん正面玄関の受付嬢もそうであった。
社長に会わせろ!、といって受付に来る総会屋(実はタカリ)は、自分の発行する雑誌に広告を載せて広告料をせしめるのが目的、それを20才そこそこの私が、数千円を持たせて追い返す仕事も担当した。
「宮本課長様」という封書をひらいたら、大阪の飲み屋のママからだったりする、交換した名刺を使って飲んだのだろう。
役得もあった。おばちゃん「寝坊して朝食たべれなかったよ!」と役員室の勝手口から配膳室に行けば、おにぎりとかうどんが食べられた。
あるとき社長から「名妓連の踊りの発表会に招待されている、お土産に”あんまき”を300本買ってきてくれ」と頼まれた。包装もなくロジにそのまま積み重ねたものがトヨタの社長でも芸子さんたちへのお土産でよかった。
それらの仕事を、5年間順次体験して、田舎者で高卒の私がそれなりに社会人に成長させていってくれた。