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2008年7月30日水曜日

円盤型品番早見表

私が生産管理部部品管理課へ移籍して担当したのは「ランドクルーザー」の外注部品調達だった。
他の担当者は組み付けライン別に分担していた「エンジンライン」「アクスルライン」「フレームライン」「艤装ライン」という単位で、ランドクルーザー以外のすべての車種をなのに対し私はランドクルーザーのすべてのラインで使う部品を受け持った。
理由はランドクルーザーは輸出がほとんどで、輸出先ごとに仕様が違い、一台ごとに輸出仕様書から必要部品をばらさなければならなく、個々の担当者に分担すると全員が負荷オーバーになってしまうため、この部分を分離して、新入りの私に割り付けたのでした。
特にトランスミッションの種類が多く、仕様書から品番を調べるのが大変でした。
エンジンの種類、ハンドルの左右、デファレンシャルの種類、ウインチ有無、スピードメータの単位(メートル/マイル)等の組み合わせで品番が変わる、
品番一覧表にはそれなりの分類はしてあるが、数ページに渡っていし、縦見出しと横見出しで仕様を絞り込み、その交点にに書かれた品番を、一つ一つ探し出さなければならない。
今のようにパソコンがあれば、ちょっとしたシステムで検索抽出できますが、ソロバンで計算していた時代です。
このとき工夫したのが「円盤型品番早見表」です。
ボール紙で大きさの違う円盤を作り、中心をハトメで止めて回転するようにします。
大きい円盤の外周に、等間隔に分類項目を書きます。小さい円盤には合わせマークを書きます。
円盤の内側に、細長い窓を、位置をずらして2つ開けます。
分類項目に合わせマークをあわせて、
表側に窓の一方に右ハンドルでメートルの品番を、もう一方に右ハンドルでマイルの品番
裏側に窓の一方に左ハンドルでメートルの品番を、もう一方に左ハンドルでマイルの品番
を記入します。
合わせマイクをすらして、すべて書き込んで完成です。
使い方はもうお分かりのことと思います。
仕様書を見ながら、合わせマークをあわせれば答えが窓に現れます。
スピードは数倍、ミスもなくなりました。

7枚複写が3枚に

外注部品が新設されると、その調達手続きに7枚複写の伝票を起票して、関係部署に送らなければならなかった。
日本能率協会の帳票の流れ分析手法を使って、送られた先がどのように使っているか?、を調査してみたら「使っていないが送られてくるので捨ててしまっては不安、綴じて保管させている」というところや「転記して捨てている」というところなど、整理していったら、3枚複写でよくなったのです。
もちろん綴じているだけというところは廃止し、捨てているところは「回覧」にしたのでした。
時の経過やシステムの変化で、必要がなくなった情報が送り続けられてくるが、送付元は、そのことを知らないでいることが結構多い。

すべての届出を一種類の帳票に

入社して2年目、退職金や慶弔見舞金の支給業務も担当に加えられました。
仕事量自体はたいしたことはないのですが、帳票の種類が多くて、それらの帳票の在庫管理、印刷依頼がとても面倒でした。
市役所の市民課のように届出をする人が私のところに来るのであれば、帳票の保管は一ヶ所でよういのですが、従業員には仕事があるので、各部署の人事担当者が面倒を見て、記入された届書を社内便で送ってくる。そのため、各部署の人事担当者の机の引き出しには、この多種類の帳票を保管しているのです。
記入項目をよく見ると「結婚届」も「死亡届」も「退職届」も記入項目に共通なことが多い。
「所属、従業員コード、氏名、押印、上司確認印、届出月日、・・・」などなど、どの届書類も共通している。
そこで、すべての届書の項目を、1枚の用紙上にレイアウトしてみた。その結果、紙の大きさは2倍ぐらいになった。
次に項目の必要性を吟味してみた。たとえば、結婚届にあった「仲人」欄、出産届けの「病院」欄など、事務処理には不必要で従業員を信頼していればなくても削除できる項目も多かった。
残るは「結婚」や「出産」と「死亡」が同じでは縁起が悪い、と思うかどうかだ!
帳票を「結婚届」とか「死亡届」とするから、感じるのであって「退職・慶弔見舞申請書」のような、届出者の本来の目的「金銭の支給」をメインの帳票にすれば違和感が起きないだろう。
サイズのまちまちの多くの届出書類が1種類になり、帳票の在庫管理や印刷依頼だけでなく各部署の人事担当者の引き出しもすっきりし、さらに受付後の処理、そして処理後のファイリングも整然と出来るようになったのです。